株式会社パーソナルアカデミー

不登校と「悪目立ち」と「ウンコ」の話

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不登校と「悪目立ち」と「トイレに行けなかった頃」の話

不登校と「悪目立ち」と「トイレに行けなかった頃」の話

2022/04/08

 

統計上では、『不登校』、とひとくくりで言いますが。

実際には学校に行ったり、行かなかったりの、登校でも不登校でもどちらでもない子どもだって多いわけです。

 

行ったり行かなかったりだと、保護者も先生も「ここが勝負所!」と、あの手この手で学校に行かそうと奮闘することがあります。

そんな時、「○時間目から行ってみたら?」という話になるかもしれません。

 

実際に、10時とかそれくらいの時間から別室登校するという子どもたちは結構います。

昼夜逆転してる子。
起立性調節障害で朝がどうしても起きれない子。
登下校で誰かと顔を合わせたくない。

そんな子にはいい提案かもしれません。

 

けれど、そういうのを嫌がる子もいます。

「行くのなら1時間目から6時間目まで、きっちり行く。そうじゃなきゃ休む」

こんな風に明確に言う子もいます。

 

大人の感覚では、

いやちょっとでも行きなさいな、出席日数稼げるんだし…。

となりますが、そうは簡単にいかないんです。

 

仮に時間帯は気にしない場合でも、

別室登校はイヤ!

という場合があります。

 

「学校に行くなら、教室に戻れるようにならなきゃダメ」

ということを言う子もいます。

 

やっぱり大人の感覚だと、なんでやねん、となるかもしれません。

 

あれもダメこれもダメって…。

こちらもハードルを下げているのに、実際にできもしないことばっかり言って…。

結局家にいるだけじゃない、少しは頑張る姿勢を見せなさいよ!

 

 

さて…こんなとき、私がふと思い出すのは、「小学校でウンコしにトイレに行けなった」自身のことです。

 

…。ごめんなさい比較対象がちょっと上品ではなくて。でも真面目な話です。

 

 

私は小学生まで、学校で「大のほう」のトイレに行くのが(よほど緊急事態でない限り)全くできない子どもでした。

おしっこははずかしくないけど、うんちをしてきたと周りに知られたくない子どもでした。

下校の際に迫りくる便意と必死に格闘しながら、なんとか家までたどり着いた記憶が何度もあります。

 

特に男子はトイレの構造上、個室が利用されているところを見られると、してきたことが一目瞭然なわけですが、小学生だとそれをからかうお馬鹿さんが一定数いる(あるいは子ども心理として一定数いると疑わざるを得ない)わけです。

 

「あいつウンコしとったでー!」

 

そう言われるのが怖くて、学校で「悪目立ち」したくなくて、夕方自宅まで我慢するわけです。肛門括約筋をプルプル言わせながら。

 

そもそも私が学校でウンコしに行こうが、それを誰かに見られようが、全然「悪い」目立ちではないはずです。

誰だってトイレは行くし、学校で行かないことの方がむしろ非効率的で健康にも良くなく、場合によっては他人に迷惑をかけるかもしれないのですから。

 

事実、私は「糞詰まり」で一週間入院したことがありますからね。

 

 

私の思い出話は本当に馬鹿みたいな話ですが、でも「悪目立ち」を死活問題とする子どもは今でもやはりいます。

 

繰り返しますが、全然「悪い」目立ちではないのです。

 

学校で別室登校すると、目立つかもしれません。

遅刻していくと目立つかもしれません。

 

でも学校に行きづらい、教室に入りづらい子が、時間をずらして登下校して、別室で教育を受けるのは、全然恥ずかしいことではないし、ましてや「悪いこと」ではないはずです。

 

私のトイレの話に比べて、本人たちには本当に深刻で、解決法がなくて、つらくて苦しいはずです。

 

仮に何か言ってくる同級生がいても、そっちがあかんわけで、先生たちだってフォローしくれるはずです。

 

でも生まれてからの、色んな経験とか、教育とか、常識とか、子どもなりの価値観とかタブーとか。

そういったものがあって、それだけはダメっていうことがあるんだと思います。

 

 

私たちは、子どものころから耳がタコになるほど言われます。

「さっさと学校に行きなさい、子どもは学校に行くのが仕事なんだから」

 

そして

「遅刻するとか信じられん、早く起きればいいだけの話やのになんでできへんの」

「あいつ教室に来ないで、授業さぼりやがったで、やばい奴や」

別室登校が苦手な子は、もしかしたらそんな世間話に自分が参加する側だったかもしれません。

 

皆勤賞、無遅刻無欠席が賞賛される中で、時間の守れない子は厳しく叱責されます。

 

それなのに、不登校になった途端に、

「あなたはいいの、しんどいんだから。ゆっくり来てもいいし、教室に入らず別室で本読んでなさい」

と言われても、受け入れられない子がいても仕方ないのです。

 

 

別室登校ができる子はいますし、できない子がいても仕方ないのです。

時間をずらせば登校できる子もいますが、そういう問題ではない、という子もいるんです。

 

 

大人になって、私は、いつでもどこでも、たとえ誰かと同席していても「ちょっとトイレ」と言ってさっさと行きます。

なんということはありません。

 

不登校の子どもたちも、そのうち色んな苦手意識を無視できるようになります。

でも、不登校になって、学校に行ったり行かなくなったりし始めた当初に、色んなことを提案されても…。

急激な変化に対応できない場合もきっとあるのだと思います。

 

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