夢が実現できなくっても、幸せになろう
2023/05/02
子供のころ、「将来何になりたいの」とか、「将来の夢はなに」とか聞かれました。
私は最初「お医者さん!」と言っていたようです。
そのうち考古学、特に古代エジプトが大好きになって、「考古学者!」と言っていましたね。
中学生以降は密かに「漫画家」になりてえ、とは思っていました。
もちろん今、どの職業にもなれていません。
子供のころ、若いころに描いた夢を、大人になるまで抱き続けられるのは、すごい才能だと思います。
そして、夢に向かって実際に努力ができる人は、本当にすごい。
それなのに、凄い努力を続けた人でも、思い描いた夢を叶えるのは、ほんの一握りです。
何か具体的な目標を持って、一生懸命な子どもたちに出会うと、やっぱり応援したくなりますよね。
頑張れ、できることがあれば手伝うよ。
いつもそんな声掛けをしています。
一方で、将来の夢なんてない、今は思いつかない、という人もたくさんいます。
本当は夢があるけれど、他の人には話したくない。
漠然と方向性はあるけれど、具体的なイメージがわかない。
自分に自信がなくて、そういうことを考えられない。
目の前のことで精いっぱいだよ。
なりたい職業に限らず、将来の自分の姿を思い描くことを苦手とする人は、少なからずいるのでしょう。
しばしばテレビとか書籍では、「夢を叶えること」が至上のことであるかのように描いてしまいます。
子供の頃からの夢を、努力の末に叶えた人たちは、成功者として尊敬されます。
「こうすれば成功する」「諦めなければ夢はかなう」
そういったメッセージはたくさん聞きます。
そのこと時代が駄目だとは思いません。
夢を持つこと、目標に向けて頑張ること。
とっても大事だと思います。
でも、ひとつだけ言えることがあります。
なりたい職業に就けなくて、欲しいものが手に入らなくて、幸せに生きることはできるはずです。
夢が叶わなくても、思い描いていた大人になれなくても。
キラキラしていなくても、「リア充」じゃなくても、幸せになれると思います。
野球選手になれなくても、youtuberになれなくても。
○○大学に入れなくても、好きな人に振られても。
それでも幸せになる余地が残っています。
自分のできる限りの頑張りで、楽しく過ごして、周りの人と笑いながら生きてほしいと思います。
一番しんどいのは絶望することです。
自分のこれからについて、投げやりになることです。
こうすれば楽しくなるのに、豊かになるのに。
そんな場面で一歩踏み出す勇気とエネルギーがなくなることです。
夢を叶えることは確かに難しいことです。
でも現実に向き合っても腐らずに、できることを探すことだって、とても難しい。
夢はあきらめたとしても、幸せになることは、あきらめないでほしいと思います。
子どもたちには、夢や目標、無謀と思えることにでも、挑戦してほしいと思います。
でもそれと同じくらい、夢破れても、思い通りにならなくても、思わぬ不幸に見舞われても、自分が幸せになるために、できることをしっかりやれる人間になってほしいと思います。
そうすれば、幸せになるチャンスはきっと残っています。
子どものころに読んだ、『モンテ・クリスト伯』の「待て、しかして希望せよ」は今でも大好きなセリフです。