池田市のフリースクール・パーソナルアカデミー

さて前回の続きです。

仮に
漢字が全然書けない読めない。
九九ができない。
東西南北も分からない、時間の計算もできない。
そんな人が社会に出てどうなるのか、という話でした。

ちなみにこういうこと書いてるのは、フリースクールで、
「勉強なんていやや～」
「とにかくいやなんや～」
そんなやり取りが子どもたちとの間で出たからです…。


まあ、うん。う～ん。
小学校、中学校と勉強せずに、社会に出ていく人もいるはいるけれど…。


そしてそういう人が生きていけないか、というと…、
そうでもないような気がします。
案外なんとか生きていけると思います。
以外に豊かに暮らせそうな気もします。


実際、高卒認定試験の相談に来てくれる社会人の方の中には、
ひっ算や分数の計算から、やり直す人がたくさんいます。

でもその人たちは、立派に働いていたり、家庭を持っている大人の方でした。
ちゃんと就職して、きちんと働いて、収入を得ています。

もちろんキャリアアップのために、学力が必要になったという意味では、
過去勉強ができなかった事実が壁になっています。
それでも、生きていくために学力が絶対ではない、という気持ちになれます。


しかし、そういった十代で勉強しなくても何とかなってる大人たちは、
他の部分で資質があったり、努力してるように思うのです。

一般常識がなくても、事務能力がなくても、管理能力がなくても、
それでも職場で受け入れられて必要とされる人というのは、
それはそれで凄い人です。


書類は書けないし、読めない。
計算は分からん。
一般常識、知識がないから、人にどんどん質問する。
自分ができないことは、どんどん他人にお願いしてなんとかしてもらう。

勢いが良くて、打たれ強く、時には図々しく振舞える。
チャレンジ精神旺盛で、即断即決即行動が出来て、心身ともにタフ。
その上で愛嬌があるとか、いざという時に頼りになるとか、人一倍献身的とか。


逞しい人、いい意味で鈍感な人。
戦えるファイタータイプ。
馬鹿にされてもへこたれない。
理不尽に耐えられる人。
そういった人な気がします。


若いころ勉強をせずに、それでも立派に社会人ができるという人には、
ある種の根性がいると思うのです。
体育会系と言いますか、軍隊系（？）資質の持ち主かもしれません。


そして不登校の子どもたちの中で、
そういったタイプってあんまりいないんじゃないか、
と思ってしまいます。


繊細な子。
引っ込み思案な子。
遠慮がちな子。
とても多いです。

勉強して知識を身に着けて、事務処理能力があると、
人に質問したり、頼ったり、
馬鹿にされたり（もちろん馬鹿にする人が駄目なんですけど！）
する機会が若干減る気はします。

そういったしんどさから、自分を守ることができたりもするのかな。


想像してみます。

あまり親しくもない、見るからに不機嫌な職場の人に、
「すみません。これ私じゃできないんでお願いします。」と頭を下げます。
「はあ？　こんな計算小学生でもできるやろ、くそぼけ」と罵られて…。
「非常識な奴や」とぶつぶつ言われて…。
それが頻繁にあるとしたら…。

私は、ちょっと心が折れてしまいそうです…。


もちろんこんなこと、子どもたちの心には響かないですけど。
でも、子どもたちと冒頭のやり取りをしていたら、
「勉強しなくてもいいんだけど、他の部分で補うのも、それはそれで大変やで…。」
なんて思ってしまいました。