私立中学不登校は復帰が難しい
2025/05/27
私立中学不登校は復帰が難しい
私立中学は進度が早い
泣き出してしまったKくんのお母さん。
学校に行けずに悩んでいるKくんのお母さんは、Kくんに通っていた私立中学へどうしても復帰をして欲しいと思っているとのことでした。
そこまで、どうして学校に復帰して欲しいのかをお聞きしてみました。
「本当は灘中に通っているはずだったのに、体調を崩して灘中の受験がうまくいかず、今の学校になってしまったけど、そこも通えないなら、もう、あの子の大学受験はうまくいかないのも同じじゃないですか!」
と泣きながらおっしゃったのです。
でも、大学受験に向けての勉強は、まだ始まったばかりです。
それよりも、今は、Kくんの今後を考えるのが一番大切なことなのではないかと思い、お気持ちは十分にわかるのですが、まずは、Kくんの今後のことを考えませんか?とお聞きしました。
Kくんのお母さんは、このようなことをおっしゃいました。
「こんなとこに来てまで、学校復帰が無理などと言われると思っていなかった。学校復帰ができないなら、もう、大学はあきらめるしかないでしょう?大体、本人にもあわずに、どうして学校復帰が無理などと言えるの?こんなところ信用できない!どこか他の塾や予備校で学校復帰させてくれるところを教えてほしい。」
さすがに、カチンときました。
カチンと来たのには理由があります。
まず、「こんなとこ」呼ばわりです。
相談したいとおっしゃったので、お受けしたのにもかかわらず、「こんなとこ」と言われたことが、理由の一つです。
もう一つは、時間がかなりすぎてきていることと、Kくんの現在の状態を考えたら、学校復帰の話などできないだろうと思ったからです。
Kくんは、現在の学校に通えなくなって、すでに2ヶ月以上が過ぎています。
この間、Kくんは勉強をする気力もなく、家にひきこもっている状態です。
昨年度の間も通えていない時期がありますから、学習の抜けはかなりあります。
それをすぐに勉強に取りかかったとしても、学校はどんどん進んでいきますから、今の2ヶ月上の抜けを埋めながら、追いついていくのは、相当な努力が必要です。
まして、Kくんが、まだ、勉強に取りかかれる状態ではないと、お母さんの話から判断することができるので、学校復帰を考える前に、まず、Kくんが精神的に落ち着いて、今の状態を受け入れるところまでもっていかなければならないことは、お母さんが一番、わかっているはずだからです。
それをまるで無視して、勉強だけさせてくれて、学校に戻してほしいというのは、子どもの気持ちなどどうでもいいと言っているのと同じです。
私は、こういう親が最も腹が立つのです。
自分の思っているようになって欲しいと言うのは、親であれば考えることかもしれません。
しかし、子どもがまだ、どん底の苦しみを感じているときに、こうして欲しい、ああして欲しいと自分は何も子どものことは考えず、自分の思っているようにして欲しいと言うのは、明らかにおかしいと思います。
そこで、私は、お母さんに正直に、今はまだ、Kくんの気持ちが落ち着いていないから、先のことよりは、まず、家でKくんが穏やかに生活できるように、学校に行っているときと同じように、声をかけ、挨拶をして欲しいとお伝えしました。
決して腫れ物に触るような話し方をしないように、とお伝えしたのです。
そして、学校に行っているときの休日をすごしているかのように、接してあげて欲しいと、丁寧にお話ししました。
Kくんのお母さんは意に介さないようで、「灘中に合格していれば、こんなことにはならなかったのに」とだけおっしゃって、お帰りになりました。
Kくんはきっと時間がかかるだろうと思いました。
これでは、Kくんは、学校に行くのも辛い、家にいるのも、ものすごく辛いだろうということが、容易に想像できました。
Kくんのことを考えると、Kくんのお母さんに、もう少し考えてもらえるように話をした方が良いことはわかっていたのですが、このお母さんは、Kくんには、何としても学校復帰をして欲しい、ただそれだけでした。
Kくんが動けないときに、Kくんがどのような思いでいるのかも考えないことが、K君にとって一番わかってもらえず辛いと思ったので、あえて、Kくんのことをもっとあたたかく見守って欲しいと思い、お母さんを突き放したのです。
どれだけ話しても、こういうお母さんは変わりません。
他人を変えるなど、おこがましい限りで、できるはずもありません。
このKくんのお母さんのようにおっしゃって来られる方は、私立中学で不登校になった方のご家族にはとても多いのです。
これまでも、たくさんの私立中学不登校の子ども達と出会ってきましたが、ご家族が、子どもの想いも考えず、このような考え方をしていると、子どもが動き出すのにかえって時間がかかってしまうように思います。
そのことを、ぜひ、知っておいていただきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

