なんで勉強せなあかんねん? と聞かれたら③
2020/08/19
なんだか長くなってしまった②のつづきです。
「なんで勉強しないといけないの?」
と、子どもたちに聞かれたらどう答えましょう。
ⅰ.社会がそれを前提としているから?
ⅱ.将来の選択肢を保持しておくため?
ⅲ.公平に負担するため?
ⅳ.やっぱり学ぶのは楽しいんやで
今回は、ⅲ.公平に負担するため?
ちょっとうまく言葉にできるのか怪しいのですが…。
例えばみんなでガッツリ遊んだ後で、翌日一人だけ宿題をせずにいたら、「○○くん、ズルい~」と言われそうな気がします。
これと似たような場面として、私は税金を思い浮かべてしまいました。「みんなが働いて税金を払っているのに「○○さんは払わないなんてズルい!」
もちろん全然違うんだけど、根っこにある感情は同じような気がします。
「みんなだって、我慢してやっているんだ。それなのに逃げるなんて!」
なんでみんな嫌なのに我慢してやっているのでしょう?
税金はみんなで少しずつ負担することで、社会全体がより良いものになって、回りまわって自分のためにもなるから我慢して払っています。(本当は税務署に怒られるのが怖いから、とか、俺は税金の恩恵を受けてないぞ!、とかは一旦置いておいて…)
勉強は回りまわって自分のためになるという点が税金に似ていますが、みんなで公平に負担していけば社会をより良くしていけるという点も、ちょっと似ているなと考える時があります。
もちろん我慢して勉強するのは、一つには公平にチャンスを貰うためだと思います。
子どもたちは、「お前は将来、○○の職業に就くしかないから、必要な分野だけ勉強しなさい」、と言われるわけではありません。
学ぶことで自分の向き不向きを見極めることが出来るし、限定的ではあっても自由に将来を選択する余地が貰えている(はず)。
それとは別に教育には、世の中を支える役割を、みんなで公平に担っていくことが期待されているんかなぁ、と思うのです。
それに一部の人に偏った教育をするよりは、とりあえず最初のうちは、みんなに満遍なく色んな分野を学んでもらったほうが、人材が育つ確率は高い気がします。
極端な話、誰かがお医者さんにならないと困るわけです。
誰かが政治家になって、経営者になって、弁護士にならんと世の中回らんわけです。
そこまでのエリートじゃなくても、一定数以上の人が機械に強くて計算が出来て化学に明るくないと、きっと工場も動きません。
私はパソコンやスマホを人並みに使うけれど、作ることもメンテナンスすることも修理することもできませんし、なんで画面を撫でるだけで操作できるのか全く分かりません。
みんなが頑張って学んできたことが、ちょっとずつ集まって今のびっくりするくらい便利な暮らしができているのはやっぱり事実ですよね。
機械やコンピュータが存在しているのに、誰もその原理が分からず修理できないとなると、SF物語の終末世界みたいで悲惨です。
誰がどういった勉強をして、将来どんな仕事に就くのか。これが予め分かるわけではないから、みんなに我慢してもらいながら、とりあえず同じ勉強をしてもらうんだと思います。
「遊びたいのは分かる。けどこれからも世の中が円滑に動いていくためには、みんなに勉強してもらうしか方法が思いつかんし、私たちもみんなそうしてきた。それぞれのやりたいことや適性がしっかり見つかるまでは、すまんが頑張って勉強してくれよ。税金みたいなもんやから。」
大人が子どもに勉強してほしいのは、言外にこういう気持ちが含まれているのかもしれませんね。
とりあえず学校の勉強をある程度まで頑張ってみたけど、その結果もうこれ以上勉強はしない、と見切りをつけるのは仕方ない。
また学校教育から離れたところで学ぶうちに、何か驚くようなことを産み出す人もいるかもしれない。
「でもだからといって最初から全然ノータッチはなんかフェアじゃないんだ…。みんなとりあえず最低限の勉強には挑戦してもらえると助かるんだけど…(モニョモニョ)」
何やら歯切れが悪く、今日も頭のどこかでモニョモニョとそんなことを考えては、「いやズレているかな?」と首をかしげています。
そもそも税金のようなルールがあるものでもなければ、教養がないから道徳が育たないわけでもないと思うし、勉強がしたくない、できない人でもその人なりの役割がある。そんな社会のほうが好ましいような気もするし…。
なんだか、ぶっちゃけ今回書いた内容って、子どもたちには刺さらない気がします!
「なんで勉強せなあかんの?」と聞かれたのに
「大人としては、こういう理由だから勉強して欲しいねん!」と言ってもどこかすれ違っているような。
「話を遠くに持って行って、ちょっと高いところから力説しとるけど、目の前にいるボクらの気持ちは置き去りやんね?」と言われそう…。
④でなんかちょっとでも、子どもたちがこっちを向いてくれそうな、言葉が出てくるといいなあ。
ということで次回に続きます。