不登校になる子どもの親ってどんな人?』→『そんなのわからん!』
2021/01/20
タイトルの『不登校になる子どもの親ってどんな人?』という質問。
私の答えとしては、『そんなのわからん』です。
子どもの不登校に関して、「親」「家庭環境」は未だに大きなテーマとして扱われます。
文部科学省が不登校の要因を調査する際にも、「学校に係る状況」と「本人に係る状況」と並べる形で「家庭に係る状況」が挙げられています。
両親の離婚や、身近な誰かが亡くなる場合。仕事での転勤で環境が変わった、親子で衝突した。そういったことがきっかけで、学校に行きづらくなることはあります。
しかしそういった直接的な要因となっていない場合でも、「親のせいじゃない?」「育て方が悪かった?」と問題にされることはよくあります。仮に子どもの不登校の直接の原因が、学校でのいじめや、友だちとのトラブルであったとしても、「親の育て方が悪かったから、メンタルの弱い子どもに育ってしまったのだろうか?」という言い方をする人はいるのです。
私は、不登校の子どもの親によく当てはまる要素、といったものはない、と考えています。『ないと考えている』というよりは、『ないと考えた方がいいよな』と、ぼんやり思っているのかもしれません。
「○○な親は、子どもを不登校にしてしまう」という意見にはあまり共感できませんし、「親の育て方が悪かったから…」、と言われると、「じゃあ正しい育て方ってなんやねん。正しい子どもの状態ってなんやねん」と噛みついてしまいたくなります。
どんな育て方をしても、子どもが突然、学校に行けなくなることはあるはずです。
家族の学歴が立派で、教養が豊かな家庭であっても、社会的地位が高くて高収入な家庭であっても、子どもが不登校になることはあります。
お父さんお母さんが人格的に非の打ちどころのないとても立派な人であっても、子どもが不登校になることはあります。
「不登校になる子どもの親ってどんな人ですか?」という質問には、「失敗した人たちには、どんな傾向がありますか?」、が含まれているようで嫌いです。
学校に行かないことを、あまりにネガティブに、衝撃的な緊急事態と受け止めて、犯人捜しをして、「事件の解決」を急いでいるように見えて、それも嫌いです。
「不登校はどんな家庭に多いですか」
「親が不登校を防げなかったのは何故だと思いますか」
「こういった親子関係だから、学校にも行けなくなるんですよね」
親子関係の破綻や、教育の失敗があって、それを測る物差しのように、不登校の子どもと保護者が扱われるような表現は、やはり嫌です。