今年、フリースクールから進学していった子どもたち
2022/04/06
それぞれの学校が新年度を迎えます。
この春はパーソナルアカデミーから、高校生として、中学生として進学していく子がたくさんいたので、少し教室も寂しい雰囲気になりました。
毎年、進学する子どもたちはみんな、しっかり勉強を頑張っていて、素直にすごいなあと感心しています。
何とか目当ての学校に行きたい。
春からの新年度のために、ちょっとでも追いつきたい。
ここで踏ん張らないと。
私自身が、そういったここ一番での踏ん張りから逃げてばっかりの人生だったので(お恥ずかしい)、そうした子どもたちの頑張る姿には、仰ぎ見たくなるような、尊敬のまなざしを密かに向けています。
それと同時に、初めて会った時のことを思い出します。
最近は、学校に行かないことを「しゃあない」「自分に合わないものはしゃあない」と飄々と(少なくとも表面的には)受け流せる子もいます。
もちろん、「どうしたらええの…?」としんどそうな表情だった子も相変わらずいます。
学校に行きたいけど行けない子ども、そもそも行きたくない子ども、行かなきゃいけないと強く思い込んでいる子ども。色々です。
いろんなことができない状態でパーソナルに来てくれる子どもたちがいます。
勉強とか、学校行くとか以前の問題で、まずはそのしんどさ、やりづらさを何とかせんと無理やって…。
おそらく学校に登校していても、授業は内容が理解できなかったろうし、色々つまらなかっただろうなあ、という状態の子どもたちはどうしたっているのです。
これまで学校に行っていても、取り残されるようにして過ごしたのではないか。そして学校に行くことに何も価値を見出せなくなったのではないか。
どうしてこうなってしまったのだろう。もっと早く色々できたはずなのに。
一方で、こちらがびっくりするほど色々できる子もいます。
勉強に限らず、
「え、そんなこともできるの?」「え、そんなことよく知ってるね?」
と色んな趣味や興味を持っている子もいます。
大人としては「えー、すごいやん」「こんなにできるなら全然大丈夫やろ」と言うのですが、本人は「そうかなあ…」といまいち信じ切れていない様子です。
例えば、勉強に関して言えば、みんな漠然とした苦手意識を抱いている気がします。
必要以上に苦手意識を持っていて、時に予防線を張っています。
「自信がない」「追いつける気がしない」「できないから…」
学校に行けなくなったことで、いつの間にか自信が持てなくなっているのでしょうか。
そんな風に感じる必要はないはずです。
これだけ目に見える可能性があるのに、学校に行っていないというだけで、その力を発揮する場を与えられないというのは、やっぱりおかしいです。
これからみんな、学校に進学します。
学校に行かないという選択肢もあったのに、頑張って勉強して、緊張しながら試験受けて、その結果入学したんです。
胸を張って登校してほしいです。
良い出会いがたくさんあって、これから先の人生のために、たくさんのことを学んで成長してほしいです。
私は自分自身がそこまで頑張らなかった人間なので、「頑張れ」と言うのはどちらかというと苦手です。
「良かったねえ」とか「そりゃ大変だったなあ」「頑張ったねえ」とか、ホウホウと頷きながら話を聞くことが大好きです。
今年から進学する子どもたちにも、どっかで話を聞かせてもらえる機会が、これからもあればいいなあと、こんな時期はいつも思います。