周りの大人も元気になりたいな(後編)
2023/11/06
今回は引き続き、お子さんが不登校になった時、
周りの大人やご家族が元気になるのが大事だよ、という話です。
さて、もはや二十年以上前に、私は学校に行けなかった時期があります。
中学二年生の夏休み明けからです。
今回のテーマで言えば、当時の私の周りにいる大人は両親でした。
逆に言えば、学校に行けなくなり、外出をしなくなると、
子どもたちの大人との接点は、両親くらいに限られてしまいます。
両親は色々としてくれました。
辛抱強く見守ってくれました。
恐らく私が把握していること以上に、当時は色々苦労があったのだろうと思います。
その中には、当時嬉しかったこともあれば、そうでないこともあります。
今思い返せば、それは的外れだろ、ということもあれば、
適切な対応をしてくれたのだな、ということもあります。
全部ひっくるめて感謝しかありません。
試行錯誤してくれるだけでありがたいものです。
ただ、例えば、
「私が、小さいころから成績のことでプレッシャーを与えたから…、
学校に行けなくなったのかな…」
そんなことを母に言われると、気まずかったです。
父親が休日に「本屋にでも行かないか」と言ってくれる。
父なりに考えて、ここなら大丈夫だろう、という候補を出してくれると…。
「誘ってくれているし頑張って行かなきゃ…」となります。
お互いに元気がなくて、謝りあったり、配慮をしあったり。
そうした時期はやっぱり、窮屈なものでした。
お子さんが学校に行けなくなると、保護者の方は心配になるし、不安になります。
「元気で、笑顔で過ごしましょう」と言われても、そうはいかないことがほとんどでしょう。
それはそれでいいのだと思います。
色々と試行錯誤して、失敗するのもいいのだと思います。
しんどい時期はあると思います。
でもいつまでも、みんなそろってへこんでいるわけにはいかないのです。
時間はそれぞれのご家庭で違うでしょう。
最初の一か月とか、半年とか。
もっと長いお家もあるかもしれません。
どっかの時期で吹っ切って、元気にはならないといけないし、そしてどちらかというと、
お父さんお母さんが先に元気になってほしいのです。
人が元気になる時って、どんな時でしょう。
誰かと面白くお喋りしたり、一緒に遊ぶと元気がもらえます。
いい話を聞いたり、自分の胸の内を打ち明けてスッキリすることもあります。
いつもと違った体験をしてエネルギーをもらうこともあります。
いつも通りの規則正しい生活を送ると、元気な人もいます。
たくさん体を動かしたり、美味しいものを食べたり。
趣味を楽しんだり、ちょっぴり贅沢したり。
お父さんお母さんが、こうしたことができて、
「あー、楽しかった!」とお子さんに言えることは大事だと思います。
そして次はお子さんと一緒に「楽しかった」と元気になれればいいのだと思います。
生きていると、どうしようもなくしんどい時期ってあると思います。
何をしても楽しくなくて、つらくて理不尽な時もあると思います。
好きなことをする時間もお金もなくて、楽しい時間がない人もいると思います。
しかし、もしそうでないなら。
ちょっと息抜きしてもいいかなあ、と迷っているくらいなら。
誰かに話居聞いてもらいたいなあ、と思えたのなら。
お父さんお母さんは、好きにしていいと思います。
お子さんと、同じ目線に立つのは素晴らしいです。
共感して話を聞いて、寄り添ってあげること、ぜひしてあげてください。
でも一緒に元気がなくなって、しょぼんとする必要はありません。
お父さんお母さんが元気なことは、いつだって子どもたちの元気につながります。