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親子間での「会話のキャッチボール」その➂

親子間での「会話のキャッチボール」その➂

2020/10/07

私たちは他人と接するとき、相手によって異なる対応をとっています。

「マナー」とか「距離感」とかがあります。職場や学校と、家庭では全然違う会話内容でしょうし、また家族内でも相手によって接し方は変わってきますよね。

 

もし職場での会話をそのまま親子関係に反映させたら、ちょっとおかしなことになります。

業界のこと、会社の業績のこと、子供にはつまらない話が多いでしょう。

職場の人間関係やゴシップなんて、子供には聞かせたくありません。

ですから親子の会話の内容は、当然お互いが話したいこと、話してもいいことになります。

 

 

 

しかしこういったことはないでしょうか。親子の会話の内容はそれ相応のものなのに、いつの間にか会話の方向性を、家庭外で自分が重視している価値観に持って行ってしまう。

 

少し極端な例で考えてみましょう。

職場では、上司として強いリーダーシップを執り、その経験と決断力で頼りにされているお父さんやお母さんがいます。しかしそのまま職場と同じ価値観で子どもたちと会話するとどうなるでしょう。

 

「ちょっと待って、今の話はここがおかしいよ。」

「私の経験上、そんなことでは失敗するよ。」

「期限を区切って、計画を立てないとだめだよ。」

「効率的で無駄のない方法でしないとね。」

「よくわからないから、もっとわかりやすく説明して。」

「それは何か根拠があるの?」

「約束が違うんだけど。」

「外聞が悪いからやめてね。」

 

もちろん威圧的な態度をとるのはNGですが、もし職場の部下への教育ということなら、何の問題もありませんよね。また家庭であっても夫婦間での相談事ならありうるでしょう。それに親子間であっても、子どもがアドバイスを欲しがっていたり、勉強やスポーツを教えてもらったりしているなら、そこまでおかしくはないと思います。

 

 

でも、子どもが何か深刻な悩みを抱えていていたときに、こういった返答をされたらどうでしょうか。

それこそ不登校で親に申し訳ないと思っている子ども。いじめられて、それをどう打ち明ければ良いか迷っている子ども。

 

自分の投げたボールを、親はしっかりキャッチしてくれず、叩き落とされたと感じないでしょうか。

あるいは自分に捕球できない剛速球を投げつけられた、と感じるかもしれません。

 

 

 

悩んでいる親子の会話で一番大切なことは、子どもの本当の気持ちをしっかり聞いてあげることだと思います。

 

「結果」「コスト」「効率」「期限」「世間体」などなど、普段私たちが求めている諸々のものは二の次です。無価値ではないでしょうが、優先度はぐっと下がります。親の価値観を会話の前面に出せば出すほど、子どもの気持ちが遠ざかる。このようなことは避けたいものです。

 

子どもがまだ話しているのに、それを遮ってミスや間違いを指摘していないでしょうか。子ども自身が消化しきれていないのに結論を出していませんか。

 

 

お父さんお母さんの価値観はもちろん尊重されるべきですし、お子さんにそれを語っていくことは親として当たり前のことです。ですが悩んでいるお子さんにとっては、それがしんどい時があります。とりわけ親の価値観から自分が外れているのではないかと不安に感じている時は特にそうです。

 

まずはお子さんの気持ちをしっかり受け止めて、それから少しずつ親としての気持ちと、その後ろにある価値観を伝えていってほしいと思います。

 

親子間での会話のキャッチボールは、まずはお子さんの投げたボールをしっかりキャッチすることに全身全霊で集中する。お子さんが次のボールを投げやすいように、「しっかり聞いているよ」、と伝わるボールを投げ返してあげる。その繰り返しから始めていくのだと思います。

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